交通事故

事故後のケガを長引かせないためにはどうしたらいい?

    交通事故によって骨折などはしていなくても、痛みが長引いてしまうことがよくあります。

    交通事故の怪我で頚、腰部、肩関節、足関節、膝関節などの関節に痛みが出ることがよくあり、交通事故による関節痛は、慢性的な関節の痛み方とは違うものです。

    理由としては、交通事故による関節への衝撃というのはかなり大きいものになり、関節の構造では横からの衝撃にとても弱いので筋肉や靱帯を損傷しやすい傾向にあるからです。

    交通事故による様々な関節の損傷

    交通事故で起きる関節の損傷には、主に以下のような症状があります。

    むち打ち損傷

    交通事故等による外部からの衝撃により、頸部がむち打ったように過度に伸展した結果、頸部の筋、靭帯、椎間板等の軟部組織や骨組織が損傷することです。

    腱板損傷

    肩関節の障害の多くは,関節の動きが悪くなる可動域制限です。
    肩関節は、非常に複雑な動きが可能になっており,どこかに損傷が生じた場合,筋や腱にかかる負担は大きくなり,他の組織への影響が大きくなります。
    棘下筋や棘上筋や小円筋や肩甲下筋腱を損傷することで肩の痛みや可動域制限が生じます。

    腰椎捻挫

    腰椎の障害では、筋肉・神経・関節などに急激な負荷や外力が腰にかかることが主な原因です。このように急激な負荷が腰椎にかかってしまうと、関節包、靱帯、筋が損傷するため痛みが生じます。

    半月板、靱帯損傷

    膝関節は、大腿骨と脛骨と膝蓋骨で構成されています。
    脛骨大腿関節の間には、半月板呼ばれる線維性の軟骨組織があり、膝関節の安定性の図る役割を果たしています。
    また、脛骨大腿関節を支持する内側側副靱帯、外側側副靱帯、前十字靱帯、後十字靱帯が、膝関節の屈曲・伸展運動を制動しています。
    交通事故受傷(ダッシュボード損傷、バイクの転倒事故など)によって膝関節周辺の半月板や靱帯損傷が生じると、膝関節の可動域制限や負傷部位の可動時痛が残ってしまうことがあります。

    TFCC 損傷

    TFCCというのは、正式には三角線維軟骨複合体という名称の手首の部位のことです。
    このTFCCが損傷した状態をTFCC損傷といいます。
    交通事故の場面に限って言えば、交通事故によって転倒して手をついた場合などに起こります。
    手関節の疼痛や手首を捻る際の可動域制限が症状としてみられます。
    特にタオル絞りやドアノブの開け閉めなどの手関節のひねり運動の際に疼痛が発生することが多いとされており、TFCC損傷となったことによる日常生活への影響は重大です。

    交通事故後の痛みは放置しない!

    また、交通事故後、痛みが軽いからと言った理由でそのまま放置してきちんとした治療を受けていないなどの理由によって交通事故による関節の痛みがおこり、また痛みが長引いてしまうことになります。

    痛みが長引いてしまうと以下のような症状がでやすいです。

    歩くときの体重の乗せ方や足裏の着地のしかたは、誰にでも癖があります。
    脚を前に出すとき、外側から回すように出していたり、着地の時に小指のほうに体重がかかりやすかったり。それによって、歩行動作で使われる筋がバランスよく働かなくなり、特定の部分だけに無理な力がかかるようになります。
    こうした歩き方を痛みがありながら続けてしまうと崩れた姿勢の状態が身体の歪みとして表れます。

    歩き方に癖がなくても、交通事故などの怪我をきっかけに歩き方の姿勢が崩れ、身体の歪みを引き起こす場合もあります。

    また、椅子から立ち上がる時に痛みなど腰の動作痛があり、日常生活に影響してきます。またそのままにしておくと下肢にしびれが出ることがあります。

    さらに交通事故による関節の痛みを放置しすぎてしまうと日常生活の姿勢やクセから身体を支える骨盤や背骨の関節にも負担がかかり骨格や筋肉も歪んできてしまいます。
    身体のバランスをとろうとして、ある一定の筋肉や関節に負担がかかるため、その部分の筋肉や関節にこりや痛みをより強く引きおこしてしまいます。

    体に痛みがある場合には、必ず一度病院へ行ってください。