こんにちは。小金井エリアで整体・整骨院を運営している、株式会社 誠の人事採用担当、染谷です。
私たちの体にまつわる“常識”の中には、実は誤解や勘違いがたくさんあります。
「昔からそう言われているから」
「テレビや雑誌で見たから」
といった理由で信じ込んでしまっていることも少なくありません。
今回は、臨床の現場でよく患者様から質問を受ける“体に関する勘違い”を5つご紹介します。
① 関節を鳴らすと太くなるはホント?
結論:関節を鳴らしても太くなることはありません。
これは科学的にも否定されています。
カリフォルニアに住む内科医、ドナルド・L・アンガー博士は、なんと60年ものあいだ自分の左手の指だけを毎日鳴らし続け、右手は一切鳴らさない生活を送りました。
その結果、両手の関節に違いは全くなかったのです。
このユニークな研究は、後に「イグノーベル賞」を受賞し、世界中で話題となりました。
つまり、関節を鳴らすことで太くなることはありません。
ただし、鳴らすことで関節や靱帯に一時的な負担がかかる可能性はあるため、“習慣的に無理に鳴らす”のは避けた方が無難です。
② 足を組み替えれば歪みは防げる?
結論:むしろ余計に歪みます!
「同じ側ばかりで足を組むと歪むから、逆側でも組めば大丈夫」
こう考える方は多いですが、これは大きな誤解です。
人間の体にはホメオスタシス(恒常性維持機能)があり、体は常にバランスを保とうと働きます。
つまり足を組んだ時点で、体はすでに歪みを元に戻そうと頑張っているのです。
そこで逆側でも組んでしまうと、今度は新たな歪みが加わることになり、結果的により複雑な歪みを作り出してしまいます。
「逆でも組めばリセットされる」というのは大きな勘違いなのです。
③お風呂は肩まで浸かるべき?狭い浴槽で注意したい首のリスク
結論:狭いお風呂では肩まで浸からない方がいい!
「湯船は肩までしっかり浸かるのが健康に良い」——これもよくある思い込みです。
確かに大きな浴槽でリラックスできるなら良いのですが、狭いお風呂で肩まで浸かるのは要注意。
多くの人はその姿勢を取るとき、首をお風呂のフチに乗せて支えています。
このとき、頚椎(首の骨)の関節に過剰な負担がかかり、歪みにつながるのです。
お風呂から上がった直後は「すっきりした」と感じても、実際には首へのストレスが残り、
•朝起きても疲れが取れていない
•首や肩のこりが強まっている
•寝違えやすい
といったトラブルの原因になります。
狭い浴槽で肩まで浸かるのは避け、リラックスできる範囲で半身浴をする方が安全です。
④猫背の人は背筋を鍛えれば治る?
結論:背筋だけ鍛えても改善しません!
「猫背は背中が丸いから、背筋を鍛えれば良い」——こう考える方は多いですが、これは誤解です。
猫背の根本原因は背筋だけではなく、胸の硬さや肩の巻き込み、股関節や骨盤のバランス不良など、多くの要素が関わっています。
背筋を鍛えるだけでは、一時的に姿勢を伸ばせてもすぐに戻ってしまいます。
改善のためには、胸を開くストレッチや骨盤・股関節の安定性も同時に整える必要があるのです。
さらに、もし鍛えるとしたら背筋よりも 「腹筋、特に体幹の筋肉(インナーマッスル)」を優先しましょう。
体幹の筋肉は姿勢を内側から支える役割を持ち、いわば“姿勢の軸”を正す存在です。
•体幹が強い → 背骨が自然に支えられ、姿勢が綺麗に保ちやすい
•体幹が弱い → 姿勢を支えられず、背中や首が前に崩れて猫背になりやすい
つまり、猫背改善には「背筋を鍛える」よりも「体幹を鍛えて支える力を高める」ことの方が、はるかに効果的です。
⑤水はたくさん飲むほど健康?
結論:過剰な水分摂取は逆効果になることも!
「健康のために水をたくさん飲みましょう」と聞いたことがある方も多いと思います。
確かに水分は体に必要ですが、特にデスクワークなどで汗をあまりかかない方が、無理に大量の水を飲むと、体内の水分処理が追いつかず「体が重い」「足がむくむ」といった不調を招くこともあります。
目安は体重1kgにつき30〜40ml程度。
50kgの方なら1.5〜2ℓ程度を、一度にではなくこまめに分けて飲むことが理想です。
まとめ|体に関する「勘違い」を正して健康な生活へ
体に関する常識の中には、意外と「勘違い」が多く含まれています。
•関節を鳴らしても太くならない
•足を逆に組んでも歪みはリセットされない
•狭いお風呂で肩まで浸かるのは首に悪い
•猫背は背筋を鍛えるだけでは治らない
•水分は多ければ良いわけではない
正しい知識を持つことで、余計な不安を減らし、より効果的に体のケアができます。
「当たり前だと思っていたけど、実は違った」という気づきが、健康の第一歩です。


