整体

柔道整複師のスキルアップ

    柔道整復師になるには

    柔道整復師は骨や関節、筋や靭帯などに関わる骨折や打撲、捻挫などの怪我に対し、手技によって整復や固定などの治療を行うことができる専門家です。
    骨折した箇所や関節が外れた箇所を元に戻す整復法や、三角筋や包帯などを使った固定法、損傷した組織を回復させるための後療法の3つの施術からアプローチを行います。
    国家資格のひとつに定められている資格となっており、非常に高い専門性が必要になる資格です。

    柔道整復師になるためには、まずは国家資格の取得が必要になります。
    文部科学大臣に認可を得ている学校、もしくは厚生労働大臣指定の養成施設において3年以上の柔道整復師に必要な知識や技能を修得し試験に合格する必要があります。

    専門学校に入学してからの一般的な流れは、柔道整復に関する基礎を学び、模擬試験や試験対策を行いながら認定実技審査を行います。
    卒業前に国家試験を受験し、試験に合格できれば免許申請を行い、柔道整復師としての活動がスタートするのです。

    ただ、学校というと若い世代のためだけのようなイメージがあるため諦めてしまう人も少なくありません。
    しかし、忙しい社会人やフリーターや主婦の方などが、キャリアチェンジやキャリアアップのために資格取得を目指せる学校も存在するのです。
    始業時間が遅くから始まる夜間部であれば、働きながら学校に通うことも可能です。
    接骨院でアルバイトをされている方や、個人病院に勤務されている方なども資格の取得を目指すことができます。
    もし柔道整復師の資格取得を検討されている方がいれば、お近くの学校を探してみると良いでしょう。
    働きながら通われる方は、アクセスの良い学校を選ぶのが得策です。

    柔道整復師は2002年に柔道セラピーとして世界保健機関で伝統医療のひとつとして紹介されるなど、国際的にも将来性が認められる分野として注目を集めています。
    独立開業を目指せる資格でもあり、資格を有する接骨院では医療保険の取り扱いが認められています。
    また、活躍の場は接骨院だけでなく病院でも重宝されているため、安定した収入を目指すことも可能です。
    怪我に対する知識や技術、手術を行わずに手技によって即座に施術ができる利点から、スポーツや福祉業界にも資格を活かすことができます。
    健康への意識改善によってスポーツ人口の増加が見込まれ、メディカルトレーナーとして現場での応急手当には欠かせない存在となりつつあるのです。
    更に高齢化が進むにつれて老人福祉施設や地域包括ケアにおいても柔道整復師の必要性は高く、専門的な知識や技術を活かせる場は広がりを見せています。

    資格取得後のスキルアップは

    柔道整復師は国家資格となりますが、試験に合格しただけで一人前になるのではなく、資格取得後からが本番となります。
    学校での勉強や実技で学んだ技術や知識を活かして、現場の患者さんとコミュニケーションを取りつつ日々経験を積み重ねていくことが大切です。
    実際の施術だけでなく幅広い視野からスキルアップを目指したい場合、業務時間外の時間を有効活用して外部の研修会に参加することもあります。
    研修会では他の柔道整復師の意見を参考にしたり違う現場の状況を知ったりすることができるため、新たな気づきを得られることも少なくありません。
    また、勤務先の整骨院内で勉強会が開かれていることもありますので、うまく利用してみるのも良いでしょう。
    ベテランの柔道整復師の方でも日々技術や知識の変化にアンテナを張り、スキルアップを心がけているのです。

    既に柔道整復師として活躍している方がさらなる飛躍を求める場合には、他の国家資格の取得を目指すことも有効です。
    例えば、現在の資格に加えて鍼灸師のダブルライセンスを目指すと言った方法があります。
    解剖学や生理学など共通する科目も多く、現場に活かせる施術の選択肢も幅ができるスキルアップ方法です。
    柔道整復師は骨折や脱臼、打撲といった症状に精通している資格ですが、鍼灸師は鍼や灸を使って患者さんの痛みや体調を整える役割を担っています。
    この二つの資格に共通しているのは薬や手術を使用することがなく、国家資格ですので資格を有していなければ従事することができないということです。
    施術の提案や選択肢が増えれば、サービスの質の向上だけでなく、業務範囲自体が広がるというメリットもあります。
    鍼灸師に必要な東洋医学の考え方は相乗効果も高く、患者さんへの多角的なアプローチが可能となるのです。

    ダブルライセンスが必須と言うわけではありませんし、まずは本職としてのノウハウの向上を目指すことが先決です。
    あくまで選択肢の幅を広げる目的や、自らの目標が定まっている場合に目指すことが肝心だと言えます。
    最初から複数のライセンスを目指すことは、それぞれがおろそかになってしまう可能性があります。
    将来的に何が必要なのかを見定めて、計画的に取り入れることが賢明です。
    資格取得後がスタートとなるように、国家資格だとしても権利を有しただけに過ぎません。
    どう活かすのかを段階を踏みながら考えていくことが、スキルアップには最も大切なことだと言えるでしょう。