交通事故による怪我は首だけでも多くあります。
その中でも1番多い損傷としてむち打ち症が挙げられます。(外傷性頸部症候群(むち打ち症候群ともいう)
早期に診断することが大切ですが、初期対応を知っておくといざというときに役に立ちます。
難治性のむち打ち損傷では日常生活に影響を与え就職困難、不眠、うつなどを発症させることもあります。
交通事故本人以外にもご家族を巻き込んでしまう可能性もあるので、難治性にならないためにも早期に治療方針を決めていくことが大切です。
今回は、そんなむち打ち症に関する症状や治療、そして様々な疑問を紹介させていただきます。
むちうちとは
名前は聞いたことあるけれど実際のところどんな怪我なのかわからない人も多いと思います。
「むちうち」がどんなものかというと、首に急激な衝撃が加わり、首が前後に大きくしなることで起こるケガです。
特に追突事故で多く発生し、頚椎(首の骨)を支える筋肉や靭帯、関節、神経などがダメージを受けることにより、さまざまな症状があらわれます。
首がムチのようにしなる動きが名前の由来です。
(交通事故におけるむち打ち症の発生割合は、全体の約5%程度とされています)

むち打ち症は骨折や、出血、内出血といった目立った外傷がなく発生することもあります。
そして、症状が遅れて発生することもあるので交通事故での怪我かどうかを判断することが難しい場合があります。
代表的な症状としては以下のようなものが挙げられます。
●首が痛い ●肩、背中のこり ●めまい ●吐き気 ●足、指先の麻痺 ●だるさ
むち打ちは2種類に分類できる
なお、むち打ちには2種類に分類できます。 それは、『急性期症状』『慢性期症状』です。
急性期症状
炎症や神経損傷など体組織の損傷によって生じる痛みです。
病院で検査を受けて痛みの原因が判明できる場合であれば急性期と考えていいでしょう。
慢性期症状
痛みの原因にかかわらず、生じる痛みです。
長期間の治療受け続けても痛みが回復しない場合がこれに当たる可能性が高いでしょう。
痛みの発生時期
そして、痛みの出る発生時期としては、負傷してから時間差で痛みが発生することがあります。
それは事故直後は興奮状態にあり痛みなどに気付きにくい状態が理由と考えられます。
6時間以内だと65%の人が痛みを実感して、12時間以内だと27%になり、24時間以内だと8%になります。
むち打ちの治療方法
早期は安静に!
むち打ちになった際は患部を安静にしておきます。
首は身体の奥に関節があるため炎症の兆候である発赤や腫脹か分かりずらいですが、損傷部位を守るため動かさない様に筋肉が固くなることがあります。
それを無理に動かすと、かえって損傷部位がひどくなりますので、初期には出来るだけ患部安静にして、立った時や体を動かす時も出来るだけ首を捻らないようにしましょう。
通院での治療
そして、治療としては痛みを和らげるために整形外科では頸椎や肩への神経ブロック注射、リハビリと内服薬の投薬などがあります。
当院の場合、むち打ち症の症状に合わせて首や肩周辺の筋肉の緊張をやさしく緩める施術、関節の動きを整える手技、必要に応じて全身のバランス調整などを行います。
無理な事は行わず、痛みや体調に配慮しながら施術を進めます。
特に首の可動域を徐々に回復させ、血行を促し、体のバランスを整えることを目的に、ソフトな調整を中心に行います。
長期的に治療していけば関節が安定して、最終的には痛みが取れるようにはなりますが、それがいつ取れるようになるのかは個人差があります。
ですので、長期戦に備えるべく、出来るだけ痛みのない状態を維持していくことが大事になってきます。
継続的なリハビリは患部の痛みを和らげるので、身体の調節機能がしっかり働くよう、こまめにリハビリすることが良いと考えられます。
そして、90%の人が完全に完治に至るまでに約3ヶ月はかかります。
まとめ | むちうちになったら放置せずに整骨院で施術を
むち打ちは目立った外傷がなく、負傷者自身も気付きにくい怪我ではあります。しかし、後遺症として残ってしまうケースもありますので放っておかず必ず受診することをおすすめします。
治療するためには外傷を専門的に広く扱う整形外科でも良いですが、整骨院などの方がむち打ち症に対しての専門的知識が豊富ですし、むち打ち症になった患者様の割合も整骨院の方が多いのも事実です。
整形外科と連携の取れる整骨院などに通うのがベストでしょう。



